NETGEARの10G対応スイッチでVLANを設定したメモ
自宅LANでVLANを作成して、NAS接続系と生活系の2系統に分け、NAS系のMTU値を9000に変更したときのメモです。
もくじ
目的
NETGEARのスイッチ(MS510TX)はL2+/L3Liteの機能を持つマルチギガビットスマートスイッチです。
今回は様々ある機能のうちVLANを使用して、自宅LANをNAS接続系と生活系の2系統に分割し、NAS接続系のみMTU値を9000(ジャンボフレーム)に設定し、通信効率の向上を図ります。
機器の情報
今回登場する機器の型番やバージョンは次の通りです。
■QNAP TS-431P
・ファームウェアバージョン:4.3.3.0262 Build 20170727
■QNAP TS-932X
・ファームウェアバージョン:4.3.6.0993 Build 20190704
■NETGEAR MS510TX
・マルチギガビット8ポート 10Gアップリンク スマートスイッチ
・Boot Version:1.0.0.0
・Software Version:6.7.0.27
MS510TXのVLAN設定手順
MS510TXはWebブラウザを使用して設定を行います。
※事前に管理用IPアドレスの設定・ログインパスワード設定が済んでいる前提で書いています。
操作した手順は以下の通りです。
■設定手順
1.設定したIPアドレスにWebブラウザでアクセスしパスワードを入力
2.管理画面のトップページから Switching → VLAN の順に開く
3.左ペインの Advanced → VLAN Configuration の順に開く
4.VLAN ID と VLAN Name の欄に追加するIDと名称を入力し、右上の Add を押下
→ 今回は【VLAN ID:97 VLAN Name:NAS】とする
5.左ペインの Port PVID Configuration を開く
6.VLANを設定したいポートのチェックボックスを選択する
→ 今回は【Interface [mg7,mg8,xmg9,xg10】とする
7.表中の PVID と VLAN Member に手順4で追加した VLAN ID を入力し、右上の Apply を押下
■確認手順
8.左ペインの VLAN Membership を開く
9.VLAN ID のプルダウンメニューから、デフォルトの1番と追加した番号を切り替え、各Portの設定情報を確認する
QNAPのNAS(TS-932X)のネットワーク設定
QNAPのTS-932Xのネットワーク設定を変更します。
※TS-932Xのファームウェアバージョンは「4.3.6.0993」です。
操作した手順は以下の通りです。
■設定手順
1.TS-932Xの管理画面にログインする
2.管理画面のトップページから コントロールパネル → ネットワークと仮想スイッチ を開く
3.左ペインの インターフェイス を選択し アダプターリスト から インターフェイスの設定を開く
4.ジャンボフレーム のプルダウンメニューから 9000 を選択する
5.適用ボタンを押下する
QNAPのNAS(TS-431P)のネットワーク設定
QNAPのTS-431Pのネットワーク設定を変更します。
※TS-431Pのファームウェアバージョンは「4.3.3.0262」です。
※TS-431PのNICは1Gbpsですがデータバックアップ先なのでついでに設定変更しておきます。
操作した手順は以下の通りです。
■設定手順
1.TS-431Pの管理画面にログインする
2.管理画面のトップページから コントロールパネル → ネットワークサービス を開く
3.アダプターリスト から インターフェイスの設定を開く
4.ジャンボフレーム のプルダウンメニューから 9000 を選択する
5.適用ボタンを押下する
Windows10のネットワーク設定
Windows10のPCに接続している ASUS XG-C100C の設定を変更します。
操作した手順は以下の通りです。
■設定手順
1.コントロール パネル の ネットワーク接続 から XG-C100C を選択する
2.プロパティ → 構成 を開き 詳細設定 タブを開く
3.プロパティ(P): の選択肢から Jumbo Packet を選択し
値(V): のプルダウンメニューから 9014 Bytes を選択する
4.OK → 閉じる を選択する
各機器の接続
MS510TXに各機器を接続します。
・mg7 :無し(予備)
・mg8 :TS-431P
・xmg9:XG-C100C (PC)
・xg10 :TS-932X
※自宅環境で10Gbpsで通信できるのは TS-932X と XG-C100C のみ。
転送速度計測
転送速度計測を行った環境は次の通りです。
■デスクトップPC
CPU:Ryzen 7 1700X
メモリ:DDR4-2666 48GB
ストレージ:SSD 500GB
ネットワーク:オンボード1Gbps / ASUS XG-C100C 10Gbps
■QNAP NAS
モデル:TS-932X
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 500GB x4 RAID5
■10G スイッチ
モデル:NETGEAR MS510TX
ケーブル:エレコム CAT7 / 10Gtek SFP+ DAC
■使用ソフト
CrystalDiskMark 6.0.2
画像の左がMTUデフォルト、右がMTU9000の計測結果です。
MTU値変更前後で転送速度の向上が確認でき、無事にリード・ライトともに500MB/sを記録しました。
関連情報
本記事にて取り扱った機器や関連する機器のAmazonリンクを掲載します。
各商品ページのレビューには有用な情報が掲載されていることもありますので、宜しければご確認ください。
後継機や類似品も出始めましたので、それらの性能と価格を比較検討するのもありかと思います。
まとめ
計測に使用したPCはSATA SSDを使用しているため、リード・ライトともに500MB/s程度になっています。
自宅環境でNAS接続系と生活系の2系統に分けるのはやりすぎ感は拭えませんが、通信効率が向上したので良しとします。
以上。